夜間報告
葦原地区第二再教育センター — 記憶調整の「副作用」をめぐる住民たちの証言
山間部の「再教育施設」での記憶調整をめぐり、調整範囲を超えた記憶変容の疑いが複数確認された。自治会記録は「保存期間経過」で廃棄済み。
⚠ 記憶変容、精神的影響に関する報告を含みます。

都心から電車で約2時間、山あいの集落・葦原地区。過疎化が進むこの地域では、公共快適委員会が「モデル再教育施設」を昨年開設して以来、週に一度の集団記憶調整が地区の高齢者を対象に行われている。
取材班が現地を訪れたのは、ある元住民からの内部告発がきっかけだった。「調整後、うちのばあちゃんが孫の名前を忘れたんですよ。施設では『正常な副作用です』と言われただけでした」。内部告発者はそう語る。
施設正面には「第二再教育センター 葦原 — 社会記憶の最適化施設」と掲げられている。取材を申し込んだところ、広報担当者は「記憶調整は完全なインフォームド・コンセントのもとに行われており、副作用としての軽度の記憶変容は統計的に 3.2% 未満です」と回答した。
しかし、自治会の過去の記録と調整後の住民の証言を突き合わせると、施設の「標準的調整範囲」を超えたエピソードの消失や置換を示唆する事例が少なくとも 11 件確認された。村役場に問い合わせたところ、該当の記録は「保存期間経過のため廃棄済み」とされた。
夜の村落には、低く一定の周波数のハム音が響いている。施設の方向からだ。車で帰路につく途中、携帯電話に「この先 認証されません / UNAUTHORIZED」というテキストが一瞬表示され、すぐに消えた。